【感想】Joker/ジョーカー

少し、落ち着いてきたので少しずつブログ再開していきます。

 

観たけど書けていなかった映画が2作品ほどあるので消化したいと思います。まずはジョーカー。

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〇ストーリー

このジョーカーという作品は人によって様々な解釈が出来る作品だと思いますが、あくまで自分の解釈を基に話していきたいとおもいます。まず、この作品を観て劇場を出た時に思った率直な感想は「何だこの化け物は」というものでした。この作品は原作のないアメコミ映画というかなり挑戦的な作品となったわけですが、それが所以となって現代へのメッセージ性の強い作品に仕上がっていました。バットマンヴィラン、ジョーカーの生い立ちを描いた今作ですが主人公アーサーフレックがゴミにあふれ、貧富の差が目立つようになった世界の中で生き抜くその姿は世界中で問題となっている格差問題や環境問題に対して強くインパクトを与えていました。また、過激なデモシーンなど、現実で起きていることを等身大で描いていたのもまた印象的に思われました。

 

 ◯キャラクター

この物語の序盤ではそのほとんどがアーサーにとって良いキャラクターです。失敗しても慰めていたり、アーサーが本当に信頼できるように描かれています。ですが、これも序盤だけ。終盤になるにつれ各キャラの内面がさらけ出されていきます。そしてこれがアーサーに牙を剥き、ジョーカーへと…主人公のアーサーだけでなく、周りのキャラクター作りは完璧に近いものでした。

 

◯音楽

早速、サントラをダウンロードしましたが、恐怖感や緊張感を演出するのに最適な音楽ばかりで、電車の中で聞いているとあたかも自分がジョーカーになったかのような気分になれます。つまりはジョーカーごっこができるという素晴らしい音楽でした

 

◯映像技術

カメラワーク等々はまさに緊張感を演出できていたと思うのですが、今作で注目したいのは照明です。富裕層と貧困層で格差をつけるため富裕層が出てくるシーンでは明るめに、貧困層のシーンでは暗めに設定されています。これは黒澤明監督の生きるを思わせる演出です。

 

◯まとめ

この作品は知っての通り危険な映画です。ダークナイトの前例のようにこの映画に啓蒙された犯罪が起きてもおかしくないかもしれません。でも、世界中で混乱が続く現代だからこそこの映画の重要性というものが浮き出てくるのかもしれません。それが過激なデモにつながるのか、この映画でスカッとするのかはわかりませんが、改めて映画の必要性を訴えるのにベストな作品になっているんじゃないでしょうか。