【感想】パラサイト半地下の家族

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○ストーリー

計算し尽くされているストーリーでした。なんらかの因果でストーリーが展開される。それが作品に没入させます。若干展開が早いようにも感じられましたが、中盤にまで行くとその早さにもついていけるようになります。あと、脚本の上手さが際立っているのも事実で、韓国だからこそできるブラックジョーク的な物がふんだんに盛り込まれていたのが面白かったです。また半地下で暮らす人たちの苦労がしっかりとわかりやすく描写されていたり、終盤の碁盤をひっくり返すほどの展開は息を飲むほどのものです。また、考察記事が数多く書かれているほど深読みできる作品で、何度観ても飽きないストーリーだと思います。

 

○キャラクター

半地下に住んでいるキム一家と豪邸に住むパク一家の対比がかなり上手に描かれています。そして、どのキャラクターもなかなかパンチの効いた性格ですぐに好きになる事ができました。もちろんヘイトを集めるべきキャラクターにはヘイトが向けられるようにもなっていました。

 

○音楽

無音による恐怖感の演出というのは数多くの作品でやり尽くされていますが、この作品では大音量の音楽で恐怖感を演出していたように思えます。クラシック音楽の優雅さとは裏腹に恐ろしい事が起きていてそのギャップから来る恐怖感と緊張感は独特なものでした。

 

○撮影・編集

この映画を観る前に『テッド・バンディ』という映画を見たのですが(感想はこちら

https://twitter.com/eigakansou2/status/1228227446194855936?s=20)ここでもわかる通り犯罪が起きる直前のシーンではカメラを固定していません。『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の音声解説で話されていましたがカメラを固定しない事によって緊張感をより演出できます。それが効果的に使われていた印象でした。また、カメラのフレーミングとセットの相性が抜群でなんとも言えないほど独特な世界観を創り出していました。

 

○まとめ

ストーリーが洗練されていて終始楽しめましたし、結末の衝撃はかなり印象に残っています。ただ人を殺すだけの衝撃とはまた違った衝撃的な展開です。この作品は韓国国内で起きている問題について色濃く描かれているので、観る前は「日本人の自分が世界観に入り込めるのか」という不安がありましたが実際観てみるとどっぷりとその世界観に浸かる事が出来ましたね。その証拠にアカデミー賞作品賞を受賞するという快挙を成し遂げました。この作品も人生の中で大事にしていきたい一本です。

 

今回紹介した映画

www.parasite-mv.jp

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