【感想】ロケットマン

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こうでもしなきゃ生きてられねぇぜ!!!!って事でロケットマン観てきました。一応、ネタバレ注意と言うことと、主はこのロケットマンを観るまでエルトン・ジョンの事はあまり分かっていなかったということを前提として読んでもらえると嬉しいです。

 

〇ストーリー

まず、良かったのはストーリー設定ですね。基本的にはエルトン・ジョンの回想劇です。これは観た方の中でも意見は分かれると思いますが、回想に入る前のシーンでアルコール依存症や薬物依存症である事を明かし、回想に入る。これはまるでアルコールや薬物による幻覚のような感じでものすごく上手だったと思います。ただ、全体的な流れとして途中でミュージカルパートが入るせいか世界に入りきれません。それに、エルトン・ジョンが母親などの身近な人間から嫌われてもそこから立ち直るのを描きたかったんだと思いますけど、なかなかそれが表現されていないように感じました。

 

〇キャラクター

ここで面白いと思ったのはエルトンの家族のキャラクターですね。みんな誰かを愛したい、愛されたいという気持ちがあるのになかなか思い通りに愛されない。父親は家族を愛せず、愛されない。自分だけを愛している。こんな感じで家族全員が何かしらの重荷を背負っていました。でも、あまりにもエルトン以外の人物は悪をメインに描かれていた気もします。人はあそこまで悪い生き物なのか、そう感じてしまいます。

 

〇音楽

音楽に関してはエルトン・ジョンを知らなかった事もあってかあまり響かないというか印象に残っていないです。ミュージカル映画の例としてグレイテストショーマンを出しますが、あの映画はThe other sideなどのインパクトの大きい曲や振り付けがありましたが、この映画であれほどのインパクトを残した物はありませんでした。一応、I want Loveや、Saturday Night's Alright、ROCKETMANなんかは演出だったり振り付けだったりが良かったと思いますけど、どれもインパクトとして足りない気がしました。

 

〇撮影、編集技術

まず、良かったと思うのはタイトルコールですね。あのタイトルコールは近年でも最高と言ってもいいのではないでしょうか。あと、最初のシーンのエルトン以外の色あせた感じも良かったと思います。ただ、今作は撮影技術、構図の作り方がイマイチでした。前日に七人の侍を観ていたからっていうのもあると思いますが、やりたい事や観客に受け取ってもらいたい事はわかるけどそれを受け取れない感じに仕上がってました。まず1つの例として序盤でかなりエルトンのフェイスアップがありますよね。あそこでエルトンの切なさなどを表現したかったのだと思いますが、自分はそれを受け取ることが出来ませんでした。顔に寄りすぎてむしろ不自然な感じさえしました。また、ミュージカル映画の要でもあるダンスシーンもカメラが追いついていない感じがあってただ横に伸びる光を観せられている気分になりました。

 

〇まとめ

これは自分がエルトン・ジョンの事をあまり知らなかったからかも知れませんけどこの映画を観てそこまで感動する事は無かったですね。正直言ってエルトン・ジョンが「僕ってこんなに酷い人生も送ってきたけど、成功もしたよ!凄いでしょ!」と言いたくて作ったような映画としか受け取れませんでした。アリースター誕生のように後から観たくなるような映画なのかもしれないですけど、観た直後はあまり、余韻が残らないような映画でした。