【感想】冬時間のパリ

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○ストーリー

この作品は基本的には会話劇となっています。また、情報化社会を皮肉ったようなセリフだったりとか、よく議論されている本の媒体のあり方について考えさせられるストーリーだったかなとおもいます。また、この作品は基本的にフルーツバスケット型の作品です。というのも色んな人が色んなストーリーを持って作品が成り立っている感じです。少しストーリーは複雑化しますが、なかなか深く人物を掘り下げられる方法で、実際この作品でもそれを感じられました。ただ、所々で放り投げられている事があったかなという感じでした。

 

○キャラクター

この作品の残念ポイントですね。キャラクターが多すぎます。というか、ほんのワンシーンだけしか現れないキャラクターもいますし、入れ替わりが激しいです。そして、そのワンシーンしか出てこないようなキャラクターに複雑な性格を与えてしまっているので処理が完了しきれないままそのキャラクターとはバイバイという感じで掘り下げるべき所で掘り下げられていなかったのが残念でした。と、言いつつも作家としての苦悩であったりが、かなり共感できるキャラクター作りであったと思います。

 

○音楽

全編を通して音楽という音楽が環境音としての音楽のみです。これは『ボヘミアン・ラプソディ』的な手法でリアリティを際立たせる事に成功していました。

 

○撮影技

この作品は会話劇なのですが、その会話を恐らくマルチカム方式で撮影されているとおもいます。そのおかげで会話をぶった斬らずに自然な感じで繋げています。また、そのワンシーンがかなりの長尺なので、その恩恵をより受けていたように感じます。

 

○まとめ

会話劇という事もあり話のテンポは決して良いとは思いませんが、この映画のキャスト陣の演技力は脱帽物でした。本当に会話を繰り広げているかのような感じで自然と映画の中の世界に入り込めたように思えます。現在上映している映画館はあまり無いかもしれませんが、心が晴れるような映画なので、鑑賞をお勧めします。

 

今回紹介した映画

www.transformer.co.jp

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