【感想】タイラー・レイク〜命の奪還〜
○ストーリー
個人的にこの手のアクション映画のストーリーはあまり期待していないのですが、この作品は思いっきり度肝を抜かれました。ただ単にミッションを遂行するというストーリーではなく、かなり家族についてのストーリーが描かれていたり、『勇気』をテーマに描かれているようにも感じました。そして終盤の衝撃。映画が始まってすぐに終盤の場面が映されるのですが、その先の展開で救いと絶望が一気に襲ってきます。そしてラストシーンではかなり面白い対比や考察を誘う演出がされていました。
○キャラクター
それぞれにかなり面白いキャラクター付けがされていました。特に親と子の繋がりを多くを語らずともバックグラウンドがわかるようになっていました。そして、ただ戦うだけじゃなくて家族のことを思うシーンもあったりで温かみを感じました。
○演出
ワンシーンで15分近くのワンカット(風)映像がすごいです。同じワンカット風映像を使った作品で『1917』がありますが、個人的にはあの映画よりも凄かった印象です。というのもカメラの裏側が全く気にならなりませんでした。それにわざとらしい物体への寄りがほとんど無かったように思いました。また、監督はサム・ハーグレヴですが、脚本、製作陣にルッソ兄弟がいるということで多少なりとも演出に関わっていると思うのですが、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の音声解説で話していた緊張感を持たせる演出が行われていたと思います。
○音楽
音楽の使い方でも緊張感を持たせていました。緊張感を持たせたいシーンでBGMを切り、環境温やSEを大きくすると銃声等のSEでかなりビビります。また、BGM自体も舞台がインドということでインドらしい音楽が使われていて、視覚と聴覚に「ここはインドだ」と訴えかけてきます。
○まとめ
ジョールッソ脚本ということで情報解禁されていた頃から楽しみにしていた作品ですが、期待値を遥かに超えてきました。ルッソ監督のインタビュー記事で「一度作った作品と同じような作品は作りたくない」のような事を言っていたのですが、これが見事に当てはまっています。『キャプテンアメリカ』や『アベンジャーズ』を手掛けている監督が今度は脚本家として血生臭い作品も作れるのは尊敬に値します。そして、久々(ホースソルジャー以来?)の笑いの少ないクリヘムがなかなかにかっこよかったですね。この作品は緊張感が終始張り巡らされていてかなりハラハラドキドキする映画でした。それに、ワンシーンに「勇敢」について話すシーンがあるのですが、そこを踏まえて全体を見るとかなり勇気をもらえた作品でした。このご時世劇場に行けず気が滅入りそうだったのでこう言ったストリーミングサービスとかで勇気をもらえる新作が公開されるのは改めてエンターテイメントの重要性が認識できます。この作品を観てstay home週間を乗り越えましょう!
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